お役立ちコラム

相続は譲る心と感謝の気持ち

私が尊敬する、NPO法人相続アドバイザー協議会の相談役で、長年相続アドバイザーの養成に携わってこられた有限会社アルファ野口代表の野口賢次先生の言葉に「相続は 譲る心と感謝の気持ち」というのがあります。
定期的に発行されている「野口レポート」の、平成26年10月1日発行の文面に、下記のような感慨深き記載がありました。遺言についてです。

タイトルは 「平等に不公平を持ち込む」

・・抜粋

 現在の相続制度(均分相続)は平等ですが公平ではありません。だが、平等と公平はどこが違うのか解りづらいものです。
 それではお正月のお年玉をイメージしてみましょう。袋のなかには高校生の長男が1万円、中学生の長女が5千円、小学生の二男が3千円、親は年代に相応した金額を入れますよね。文句を言う子は誰もいません。これが公平です。
 袋のなかに一律1万円(均分)が入っていたらどうでしょう?それは公平でなく平等です。すなわち公平とは不平等なのです。
・・・平等に不平等を持ち込み、実情に合わせ相続分を公平に変えるのは遺言しかありません。そして、それができるのは「被相続人になる人」一人だけです。<

平成27年1月1日以降の相続では相続税の基礎控除がそれ以前より4割も減ってしまいました。
おかげでそれまでの相続税の課税対象件数が4%から一気に8%に上がってしまいました。
けれども、それでも相続総数の僅か」8%。

では、だから相続で揉めるケースもそれほどなのか?そんなことはないですね。
申告が必要ない人も、あっても少しばかりの人でも、あっちこっちで目にする相続に関しての揉め事、争いのほとんどがたくさん相続税を払う人とは無関係な人たちなのです。

それまで仲の良かった兄弟姉妹が、ある日起こった親の遺産相続によってその仲が真っ二つに割れてします。関係のない連れ合いが入ってまた揉める。
なかには二十年も三十年も揉めているケースもあります。

親の願いは、兄弟姉妹が末永く仲良くすることであって、決して子供たちの仲違いを見たいわけではない。

さて、
「もめないための相続心理学」著者:藤田耕司 中央経済社刊 この本の帯に記されている言葉には・・

相続は人生で最も『こころ』が動く場面、
なのに、『こころ』の対策なしで臨めますか?

あなたは1,000万円相続しました。
そして、あなたの弟さんは3,000万円相続しました。
そのとき、あなたはそう思いますか?

A.「1,000万円も親からもらえて、ありがたいなあ。」
B.「なんで、弟より2,000万円も少ないんだ!」
  → Bと感じた人は本書を開いてみてください。

私は、相続のご相談をお受けする場面で、言うのです。
お子さんたちもらう側には、

「有り難いじゃないですが。世の中には財産を遺してもらえない人もたくさんいるのに」

「それどころか、借金を子に遺す親だっていますよ。僅かでも有り難いじゃなですか」

親御さんには

「頑張って働いて貯めた財産。子には過分に遺さず。有り余ってももめるもと」 「これまでの自分へのご褒美として、奥さんと旅行や温泉三昧でもして楽しんでください」と。 

相談Dr.Next