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親と子

親としての責任は、我が子を独り立ちさせること。

人それぞれに家庭環境も違います。
裕福もあれば、生活に大変な場合もある。
その中で、子が成長する為のチャンスを、出来得る範囲で与えてあげたらいい。
あれもこれも、金と時間を我が子に投資してやれることもあるだろうし、懸命に夫婦して働きながら、子の為に、やっとの想いで捻出した稽古事の一つもあるでしょう。

中には、我が子の才能をわかりながらも、無念の進学断念ということもあるかもしれません。

方や満ち足りた環境と、方やほぞを噛む様な環境に生きる場合もあります。
一見、世に不公平、不条理に思える場面は多々あったとして、大切なのは、
その様な中でも、少しでもと、我が子の成長を願って、親が懸命に汗流し働く後ろ姿と生き様。
親としての誠実な後ろ姿こそ、何より子に残せる、将来における子の大いなる糧となるでしょう。

そして親は、成長のチャンスは作っても、手かせ足かせ、親の考えによって、過度に甘く過度に自由選択の道を奪ってはいけない。

全てを親のエゴによって、自己意思の働かない状態で成長していった結果、操り人形の心は壊れ、事件に発展したケースも多々見受けられます。

悠久の時からすれば、僅か一瞬程の貴重な人生。
子には子の、此の世において開花すべき人生があります。
チャンスは与えても、型にはめてはもったいない。

親が医者だからとて子が医者に向いているとは限らない。
継がせたい気持ちは十分察せられるけれど、「できるなら・・」で留めておくべきでしょう。

何の苦労もなくして、多くの資産を受け継ぐ二代目もいただけない。
額に汗して働いたことのない政治家にとっては、年金額も、被災者の心情も、到底推し量られるには至らない。

此の世に生まれ、育まれる心に、環境の不公平も不条理も存在しないことになるのです。

懸命に生きる親の後ろ姿を見て育てば、弱者を労わる心を一層持つかもしれません。

そして、親としての責任は、我が子をしっかり育て独り立ちさせること。

野生動物が、子育てを早々に終え、子が親を離れていくように、人間の親も、いつまでも続く親子関係を夢見ているべきではないのでしょう。

子には子の新しい生活があります。
やがて、子は親を自然に離れ、親が辿った道を歩んでいく。
それを遠目に見守りながら、個々の大人の対峙関係こそが理想的かもしれません。

親は子に決して迷惑を掛けることなく、必要あれば適度のできる援助をし、老いれば施設にでも入る。

後に残る者に、要らぬ荷物を置いて行かないようにすることが肝心。記:2011/06/28

相談Dr.Next